1.はじめに
投資を行い利益があった場合には、税金を支払う義務があります。 基本的には、年間の利益が20万円以上の場合には確定申告を行う必要があるとなっています。 しかし株とFXの合計20万円でしょうか? 株で50万円の損失があり、FXで20万円利益がある場合には、確定申告すべきでしょうか? 配当を含めるべきかなどなど、 詳細まで考えると分からないことが多いというのが現状だと思います。
株式においては特定口座を開設しており、源泉徴収ありを選択している場合には確定申告する必要がありません。 またFXにおいてもクリック365、大証FXと店頭取引では少し異なります。 (これもいずれ一元化されるようですが。)
ということで具体的に確定申告についてまとめたいと思います。
2.申告すべき対象
ここでは給与所得者を想定しており、またいわゆる専業の人は事業所得とできます申告できることがあるようです。その場合は別途調べて頂きたいと思います。 そのため給与所得者であり、年間2,000万円以下の給与・退職以外の所得が20万円以下(1年間(1月1日から12月31日)までの取引。)の場合は確定申告をする必要はありません。 (注意:確定申告をする必要がないだけであって、 住宅控除等で確定申告をする場合は例え1万円であってもFXの利益も同時に申告する必要があります。)ここでいう利益とは、 取引によるものはもちろんのことスワップや証券会社からのポイントサービスも含みます。 特に店頭FX/CFD取引で出た損益は合算することができ、 複数の会社で取引している場合にも合算することができます。 ただし取引所FX(くりっく365など)及び株式などについては分離課税ですので、 店頭FX/CFD取引の損益と合算することができません。
3.利益は雑所得として
FX/CFD取引で出た利益は、「雑収入」として申告します。 総合課税となり、累進課税で所得に応じ15%〜50%の税率となります。 ただし取引所FXの場合には一律20%です。(↓の表参照) そのため給与所得が多い方でFX/CFDにおいても大きな利益がある場合には、 取引所FXの方を利用した方が税金的には有利です。 さらには取引所FXは他の取引所先物取引との損益通算が可能であり、 3年間の損失繰越控除が可能です。 取引所FXは取引手数料が多いため、スキャルピング派には向きませんが、 デイトレやスウィング派にはこちらの方が良いと思われます。
税率(所得税+地方税)概算表 | ||
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課税所得金額 | 取引所FX(申告分離課税) | 非取引所取引(総合課税) |
195万円 以下 | 一律20% | 15% |
195万円 超 330万円 以下 | 20% | |
330万円 超 695万円 以下 | 30% | |
695万円 超 900万円 以下 | 33% | |
900万円 超 1,800万円 以下 | 43% | |
1,800万円 超 | 50% |
4.具体的な申告方法
STEP1)必要資料の準備
1.年間の損益の分かる資料(FX業者のHPで通常は確認可能)
2.源泉徴収票(給与のある方のみ)
3.特定口座年間取引報告書(株も申告をする方のみ)
4.経費の領収書(計上する場合)
STEP2)申告書の作成(年度に依っても変更があると思いますが。)
まず国税庁のHPへ行き、 確定申告書等作成コーナー へ行く。
税務署への提出方法の選択:「書面提出」
を選択。(e-Taxの場合ICカードリーダライタを購入したり、 電子認証を取ったり等不便なので、税務署に郵送する。)
次に、申告書の種類を選びます。
「右」 (ここで悩む:年末調整済みで給与所得が1か所ですが、株や雑所得は右。)
繰り返しですが、ここでは給料・株・FXの所得ありが前提です。
STEP3)具体的に申告書の作成
Aのタブ:給与・雑(公的年金など)のところに進み、源泉徴収票を丸写し。 特にFXについては、種目は「為替取引」、名称は「取引業者名」を入れます。
特にここでは経費の計上ができます。 これは取引に必要と認められる経費(例えば本の購入代や通信費、セミナー参加のための交通費など)。 そのため計上する場合には、領収書が必要です。
最後に社会保険料控除についても源泉徴収票を写す。
STEP4)印刷:
ここでできた申告書を印刷しますが、ここでは「片面印刷」で行い、 第二表の裏に源泉徴収票を貼り付けて税務署に送れば完了です。
振込みは別途行います(もちろん税務署に行ってもいいです) →口座振り替えも。
STEP5)郵送:
切手をはり、郵送すれば、終了です。 お金は引き落としの場合は、何もしなくても良いですが、 振り込みを選択した場合には、後日振り込む。
5.かなり儲かっている人
取引所取引であっても利益が1000万円以上ある場合には、 会社を設立した方が節税となるようです。 会社を維持するためには、いろいろお金がかかるので、これくらいの利益が必要です。 また法人化のメリットとして、レバレッジが個人よりも高いものを選べます。
6.まとめ
1.利益と給与の合計が330万以下の場合、店頭FX/CFDがお得。
2.利益と給与の合計が330万以上の場合、取引所FXがお得。 (ただしスキャルピング派の人は手数料の問題から除きます。)
3.利益の合計が1000万円以上の場合、法人化する。
7.節税法
税金は上述のようですが、 支払う税金を減らす方法もあります。
例えば、両建てを行う。