通貨ペア
どの通貨を選ぶべきか。 一見すると、どの市場も価格が変動しているように思いますが、 実際に取引を行ってみると、通貨ペア毎に特徴があります。 取引量が多い通貨ペア、少ないペア。 多くともトレンド生みやすいペアやレンジとなりやすいペア。 そのため自らが行いたい取引のために通貨ペアを選択する必要があります。
為替水準は通貨の相対的に決定するため、 各国の経済政策から、今後の為替水準を予測することができ、 これを利用して取引すればよいと思います。 例えばEUROが金融引き締めを行い、JPYが金融緩和を行う場合には EURO/JPYはEURO高、円安となることが容易に推測できます。 逆に金融緩和、金融緩和同士の通貨ペアの場合には、 為替水準を予測することは難しくなる。
各通貨の特徴
USD
基軸通貨。 米国の政策がそれぞれの通貨に影響を与え、各国の経済に影響を与えている。
EURO
アンチ・ドルの代表格。 今までは各国はドルを中心に外貨準備をしていたのが、 アンチアメリカ諸国を中心として、 EUROの比率を増やしています。 だたしユーロ圏は広く、各国のファンダメンタルズもまちまちにも関わらず、 通貨、金融政策は一つであるため、ユーロ圏内の格差が生まれ始めている。 その典型的な一つの例として、ソブリンリスクがある。
JPY
慢性的に円高になりやすい。 日本の産業構造(実需:輸出と輸入)、豊富な外貨準備のためだと思われます。 国債や社債、証券は主に国内でほぼ完結しており、また言語は英語が通じないために、 外国からのホットマネーがあまり入ってこない。そのためヘッジファンドも参入しづらい。 日本は経常黒字の国であり、かつ欧米から離れた場所にあるため、 ホットマネーのリスク回避場所にもなることも多い。
GBP
一昔前はポンドは高かったですが、経済も慢性的に良くなく、 じりじりポンド安となっています。
外務省 イギリスのページ
JETRO イギリスのページ
イングランド銀行(BOE)
イギリス国立統計局
AUD
豪ドルは商品市場に影響を受けます。 実際オーストラリアの輸出品目ベスト3は石炭、鉄鉱石、金の順で、鉱物資源が全体の約40%を占めます。 また輸出相手国は、日本・中国・韓国のベスト3で約40%を占めており、 同国の経済は東アジア圏と強い関連性を持っています。 近年は特に中国経済動向に影響を受けます。
外務省オーストラリアのページ
JETRO オーストラリアのページ
オーストラリア準備銀行(RBA)
オーストラリア統計局
CAD
資源通貨の一つ。 カナダは米国の隣国であり、経済的にも密接に関係。
外務省 カナダのページ
JETRO カナダのページ
カナダ銀行(BOC)
次に各市場の特徴をまとめたいと思います。
1.EURO/USD →FX全体の取引量の3割程度で最もメジャーな市場。 ヘッジファンドなど多くが参加して、トレンドが生じやすい。 近年はEUROのソブリンリスクから変動が大きい。 また同じヨーロッパということでGBP/USDと似たような価格変動となることが多い。 25pips毎のレンジの動きが目安。
2.USD/JPY →2番目にメジャーな市場で10数%の取引シェアですが、あまり動かない。 USD/JPYは4番目に多い取引量のUSD/CHF(米ドル/スイスフラン)と同じ価格変化となることがあります。 このスイスフランは日本同様ある程度安定な経済社会であることや、 USD, EUROに挟まれているためだと思われます。 ただしこのUSD/CHFの方が価格変動が大きく、先行指標となることもある。 5pips(5銭)毎のレンジの動きが目安。
3.GBP/USD →3番目にメジャーな市場で10数%の取引シェアで、かなり動きます。 トレンドが生じやすい。 また同じヨーロッパということでEURO/USDと似たような価格変動となることが多い。
4.それ以下(USD/CHF、USD/CAD、AUD/USD、・・・) →こららのシェアは数%。トレンドが生じたときは大きく動きます。 逆に何もないときは動かず、スプレッド負けします。
これらを踏まえると、次にようにまとめることができます。
【初心者】:USD/JPY
日本の証券会社の場合、スプレッドも狭く、日本語で入手可能な情報も多いためため、初心者向きです。まずはドル円から。
【中級以上】:EURO/USD, GBP/USD,クロス円
結構動きかつスプレッドもわりと狭いので、USD/JPYで慣れてきたらよいと思います。
【自動売買】:EURO/USD
これも同様の理由で、動くかつスプレッドの問題からEURO/USD。 スキャルピングの場合、約定拒否を行う証券会社あるようで、証券会社が選びが重要だとか。 日本だけではなく外国も。外国の場合はレバレッジが400倍も。
それ以外は自動売買のプログラム、コードによると思います。 大きく狙うならば、GBP/USDやAUDもありだと思います。 ただスキャルピング系はスプレッドの問題からが難しいと思います。
【番外】:AUD、NZD関連
スワップ狙いで使える市場。 1日寝かせるだけで、1万通貨当たり100円以上(証券会社にもよりますが)と外貨預金よりもお得です。 これらはマイナー通貨であるため、価格変化が遅く、そのためスキャルピングには不向きですが、マイナー通貨であるがゆえに、AUD/USD, AUD/JPYの動きが似ている。
一覧:
通貨ペア名(英語) | 通貨ペア名(日本語) |
---|---|
EUR / USD | ユーロ/米ドル |
USD / JPY | 米ドル/日本円 |
GBP / USD | 英ポンド/米ドル |
USD / CHF | 米ドル/スイスフラン |
EUR / CHF | ユーロ/スイスフラン |
AUD / USD | 豪ドル/米ドル |
USD / CAD | 米ドル/カナダドル |
NZD / USD | ニュージーランドドル/米ドル |
EUR / GBP | ユーロ/英ポンド |
EUR / JPY | ユーロ/日本円 |
GBP / JPY | 英ポンド/日本円 |
CHF / JPY | スイスフラン/日本円 |
GBP / CHF | 英ポンド/スイスフラン |
EUR / AUD | ユーロ/豪ドル |
EUR / CAD | ユーロ/カナダドル |
AUD / CAD | 豪ドル/カナダドル |
AUD / JPY | 豪ドル/日本円 |
CAD / JPY | カナダドル/日本円 |
NZD / JPY | ニュージーランドドル/日本円 |
GBP / AUD | 英ポンド/豪ドル |
AUD / NZD | 豪ドル/ニュージーランドドル |
AUD / CHF | 豪ドル/スイスフラン |
EUR / NZD | ユーロ/ニュージーランドドル |
SGD/JPY | シンガポールドル/日本円 |
HKD/JPY | 香港ドル/日本円 |
ZAR/JPY | 南アランド/日本円 |