1. システムトレード導入の勧め
もちろん最初は、裁量トレードからでした。
それで勝てていたので、システムトレードについては興味はあっても、
裁量からシステムに乗り換えることは全く考えていませんでした。
これで約1年近くが経ち、基本勝てるのですが、負けてしまう局面がどうしても存在します。
またこの負けが小さければよいのですが、これが大きいので、
「利小損大」というトレードになってしまっていました。
特にトレンドの変化(円高局面から円安局面、EURO安からEURO高など)のときにどうしても負けてしまう。
これを冷静に考えてみると、人間ならばある意味仕方ない。
今までShortが効いていて、ある日、経済指標、発言を境にLongが効いてくるというのはよくあります。
その時はまず、ストップロスで逃げることとなりますが、
基本このストップロスを如何に小さくするのかが、難しいです。
また為替の場合、月曜日の7時から土曜日に早朝6時まで市場は開いており、
その間気が休まることはなく、専業の人ならば、良いですが、
兼業の場合は本業に支障をきたしてしまいます。
だからと言って、一日数回のみチャートを見て、売買をするというもの、
かなりリスクが高いです。
そこで、私はシステムトレードと裁量の融合を目指すことにしました。
裁量の場合であっても、テクニカル分析を見て、トレードしているため、
目標は基本同じですが、全てPCの判断であると、ミスやダマシに引っかかることがあります。そのためにシステムトレードを基本に裁量で修正を。
例えば、
1.レンジ相場の場合に移動平均系のシグナルが出ていたとしても、
スプレッド負けしていまい、損がでるだけです。
(→この場合は、オシレーター系のものに変えるか、トレードをしない。)
2.年初来高値近辺で、シグナルでLongが出ている。
本当にここでLongをしてしまうと大方損をする。
(→この場合は、Shortのみを働かせる。)
3.突発的な変化:要人発言、自然災害、大口さん(中央銀行(介入)、ヘッジファンド)の売買には対応できない。ここで負けが大きくなり、経済指標で飛んでストップロスになる。
(→この場合は、突発的な変化が起こった際に、「すぐに」ロスカットがベスト)
などなど挙げられます。
しかし、このように対処法が分かっていたとしても、
実際にはできないことの方が多いのではないでしょう?
人間には心があり、欲望や期待、恐怖などがあり、冷静な判断ができません。
私の場合、価格変動はある程度予測できているにも関わらず、
実際にはロスカットできないということに苦労いたしました。
これにはトレードの数を積み、経験で何とかクリアできる課題かと思います。
実際、上述したようなことは各FX会社さんのセミナーなどでも言われていることではないでしょうか?
ロスカットは重要で、安いときに、買い、高い時に売ればよい、リスクは低く安全でかつ単純なものだと。
しかし私が思うにセミナーの先生は何十年も為替取引を行ってきており、
ロスカットが容易にできるのだと思います。
1,2年の新人、兼業のトレーダーには到底無理だと感じております。
そこでセミナーの先生泣かせのシステムトレードに行きついた訳です。
(全てテクニカルで判断するので、先生の必要性がなくなってしまう。)
だからと言って、裁量のいいところである柔軟なる対応も捨てがたいので、
多くはシステムトレードで判断し、自分がPCの前に座っていられる間は
裁量で経済指標やトレンドの判断を行ういうのがベストではないかと感じております。
またシステムトレードが行える取引環境は裁量のものに比べ、
スプレッドが大きいので、併用が良いと思います。
2. 何をすべきか?
だからと言って、誰でもシステムトレードがすぐにできる訳ではありません。
少なくとも、自分が参考にしているテクニカル分析で売買プログラムを組むスキルが必要です。
最近は全くプログラムのスキルがなくとも、容易にプログラム・コードが書けるようなツールもありますが、細かいところまで指示ができません。
例えば、
USD/JPYの市場において、あるテクニカル分析のプログラムを用いて、
ロスカットは10pipsで、利食いも10pipsと設定したとします。
東京時間はあまり動かないので、これでも良いのですが、
NY時間となると、大きく動いてしまうために、すぐにロスカットとなってしまう。
この場合は、販売しているようなEAではボラティリティを計算しておいて、
これに応じて、ロスカット、利食い率を決めるようなプログラムとなっています。
またナンピン、ドデン買いはありか?などなど。
細かいところをみるときりがありません。
ということで、ある程度の
プログラムのスキルと取引イメージが重要となってきます。
そこで具体的には簡単なものを自分で作るか、サンプルやネットで公開されているものを参考に、修正し、バックテストを行うというのが良いと思います。
3. バックテスト
仮に自作のEAができたとしても、全ての通貨ペア、ローソク足に通用するとは限りません。
そこでバックテストを行うことが重要となってきます。
具体的には次の手順で行います。
まず「Strategy Tester」を選択します。
1.Expart Advisor:使用するEAを選択できます。
2.通貨ペア:バックテストを行う通貨を選択します。
3.期間:バックテストする時間足を選択します。
4.モデル:細かい設定を利用したいので、この説明では「Every Ticks」を選択します。
設定が完了したら「スタート」ボタンをクリックします。
しばらくすると、「結果」「Graph」「レポート」タブに結果が表示されます。
たくさんの項目がありますが、特に注目したいのは以下の4つです。
【Total net profit】:総純益
総純益(Total net profit)=利益総量(Gross profit) − 損失総量(Gross loss)
【Profit factor】:プロフィットファクター
プロフィットファクターは、過去のデータでの【総利益 ÷ 総損失】の割合です。
一般的に、プロフィットファクターが「1」より大きいと良いシステムと言われてます。
【Total Trades】:総取引回数
総トレード数が多いほど信頼性高いシステムといえます。
【Maximal drawdown】:最大ドローダウン
下落幅の中で最大のものを最大ドローダウンといいます。
最大ドローダウンが大きいと、損失率も大きくなるので、
最大ドローダウンが小さいほど安定したシステムと言えます。
次に確認作業として、EAの売買結果をチャートに表示させます、
ストラテジーテスターウィンドウ内の「セッティング」タブにある
「Open chart」ボタンをクリックすると、EAの取引をチャート上に表示させることができます。
4. リスク管理
1つEAのみを使うのではなく、複数のEAを同時に売買させることにより、
リスクを回避できると思っています。
1つのEAのみの場合は、そのEAが好調であれば、良いのですが、
そうではない場合も存在します。
この場合、資産のブレが大きくなり、リスクが大きいです。
そこで複数のEAを用意し、好調なEAを増やしていき、
不調なEAを減らしていくことで全体的に利益を増やしていくことができると思います。
(もちろんバックテストで成績の良いものを使用しても。)
例えば、USD/JPYに強いEA、EURO/USDに強いEA。
さらにはこれらの中でも東京時間のみ強いなど、
様々なEAが販売されています。
そこでこれらをうまく組み合わせることにより、
リスクを抑え、利益を取っていくというリスク管理的な使用法があると思います。
1.順張りと逆張りを組み合わせ(両建的視点)
→レンジ相場のボラティリティが高い場合。
例えばこのサイトでは、容易に基本的なEAを作ることができます。
(要:会員登録)
FX自動売買ジェネレーター Famtex
自分で作るのが面倒であったり、
自分のトレードに自信のない方は、
が面白いと思います。
(だたし個人的には儲かっている人多くは単純な取引手法でスキャルピングではなく、
トレンド・地合いの理解で大丈夫だと思っています。)
付録 VPS
寝ている間にもEAが自動で売買してくれるといっても、
PCを24時間つけておくことが必要となります。
そのため、自宅のPCの性能、インターネット回線の問題(無線だと無理)、そして停電などのトラブルの場合にはソフトが起動しません。
そこで多くの人はVPS(Virtual Private Server)と呼ばれる「仮想的な専用サーバー」
を使用しているようです。
証券会社によっては、トレード数や預け金の額により、
無料でしようすることができるようにしているようです。
ただし証券会社が提供しているものは、Metatraderのみの使用なので、
少し不便だと思います。
例えば、Webプログラミングを併せて利用したい人、クラウドコンピューティングのようにiPadやスマートフォンからデータの取り出しや操作を行いたい場合には便利だと思います。